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クリスマスと林業の違い

クリスマスと林業の違い

明後日はクリスマスだという。振り返れば、昨日は冬至だった。一年で最も昼が短く、太陽の力がいちばん弱まる日。昔の人はこの日を「太陽が死ぬ日」とも捉えたという。人は思いのほか太陽に左右される生き物で、日照が減る冬には心も沈みがちになるらしい。 ところが人間は、この陰りの極みに祝祭を置いた。クリスマスである。誰が最初に考えたのかは分からないが、太陽が力を失う時期を、神の子の誕生として祝う発想は、宗教的でありながら、したたかな戦略を感じる。暗さを嘆くより、灯りをともす。気持ちが沈むなら、楽しみに変えてしまう。その結果、赤と白の老人の服の色さえ企業が決めたかのように、日本だけで二兆円規模の市場が生まれたというのだから、逆転の発想は計り知れない。

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林業に目を転じると、ここにも学ぶ点がある。常緑樹の葉やツリーが、子どもたちの目を輝かせ、家の中に「森」を連れてくる。需要ははっきりと、目に見える形で存在している。ところが、まちづくりという視点で見ると、上川町のような中山間地の一次産業は、自立よりも依存を前提とした構造に組み込まれてはいないだろうか。 補助金、制度、外部の評価。もちろんそれらは必要だが、頼るほどに「売る」「伝える」「喜ばせる」という営みから遠ざけ求める人の顔は見えなくなる。今の姿は、マーケティングとは少し距離があるように見える。 マーケティングとは、数字を追うことではないと考えている。人の心を想像することだ。暗い冬に、なぜ人は灯りを求めるのか。なぜ子どもは木に飾りをつけて喜ぶのか。だから私たちが常日頃考える事とも共通する。町にもクリスマスのような「わくわく」が散りばめられていていい。 冬至は過ぎ、日照は少しずつ戻っていく。私は来年、自分自身も依存から一歩離れ、小さくても自立し、新しい年を歩みたい。太陽はまだ低いが、確かにまた昇り始めている。

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