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森の時間に触れる

森の時間に触れる

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森は、ただそこに在るようでいて、つねに変化を続けています。草木や土、そこに棲む生きものたちが刻んできた時間は、人間の歴史と同じように「興亡」を繰り返し、幾層にも積み重なってきました。そのスケールは千年単位。私たちが一生をかけても見通せない森の時間を、ほんの百メートルの空間に凝縮して感じてもらおう――今年の「大雪祭」は、そんな試みです。

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三年目を迎える今回は、初めて東川町との連携イベントとして開催します。これまで会場に選んでいたのは、旭ヶ丘地区の高原。花畑やガーデンが広がる、まさにガイドブックに載るような景勝地でした。しかし今年、私たちはあえて未舗装路の奥にある江差牛山を選びました。かつて射撃場として使われ、いまは不法投棄のごみや雑草に覆われた場所。そこにこそ「ありのままの上川町」があると考えたのです。作り込まれた美しさではなく、忘れられた景色の中にこそ、町の歴史と暮らしの重みを見てほしい。

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江差牛山は、町有林の始まりの地でもあります。古くから町民に親しまれてきたこの山で、私たちは「歴史」をテーマに森の中の美術展示を構想しました。歩きやすい森にするために草を刈り、灌木を整え、枯れ枝を拾い、水たまりに沈んだ葉を取り除く。そうした手入れを経て、森は「人が入れる森」となり、初めてその美しさを認識できるのです。

そこで一つの問いが立ち上がります。「美しい森とは何か」。暗く鬱蒼とした森を「怖い」と感じるのは、本能に由来するのかもしれません。けれども、その感覚に基づく関わりは、森の本来の姿を映すというより、私たちが無意識に抱く「森の虚像」を形にしている可能性もあるのです。

そしてもうひとつ、森を語るうえで欠かせない要素があります。「光」です。芽吹いた植物が必死に光をつかもうとする姿は、動かぬようでいて命そのものの営みです。今回はその光を感じてもらうために、地元のガラス作家・守屋由紀さんに協力いただき、木漏れ日の中にガラス作品を配置しました。有機的な森の風景に無機的なガラスが置かれることで生まれる小さな違和感。その一瞬が、木漏れ日の美しさをいっそう際立たせます。

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芸術の魅力は「自由」であること。その自由さが、森を取り巻く産業や人々の営みにも少しずつ浸透していくことを願いながら。今日も私たちは草を刈り、森の中に道を拓いています。

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